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事例は、30歳男子。大学を出て、ある店で商品の販売を担当、数人のパ−トさんが
チ−ムを形成して数年働きます。まじめに働くのですが、段取りが悪くパ−トさんの
信頼も失いがちでした。正規職員は、いくつかの店の間での配置移動がありますが、
パ−トさんは住まいの近くに勤めるので長くそこに居て店長よりも長いのが普通。新
入の正規職員には仲々大変な毎日です。働く毎に、パ−トさんからいちいち苦情が出
されるようになり、まじめな彼は、その都度、改善策を提出しますが、仲々その通り
出来ず、又々悩んでしまうのです。その結果、一人として活動できる様にと、ある営
業所に配転されました。 今度の職場は、自分の担当する商品を宣伝し、契約する営業活動でしたから、彼の 特徴が生かせ、真面目さもあって良い成績を挙げてきました。そして、次の営業所に 配転されて半年後彼は無断欠勤をすることになりました。1週間後に私の診療所にき ました。営業所長とチ−フが自宅を訪れ所長が知っていて受診を勧めたとのことで す。 うまくいっていた彼が、休むことになった理由は、以下の様でした。この営業所 は、自宅から車で1時間半かかり、朝食を抜き6時台じ自宅を出ます。仕事が終了し て営業所に戻るのが9時過ぎ、それから1時間程かかって帰宅、疲れて夕食も取れな い日々が続きます。営業方針がここで変わります。それぞれのペ−スにまかせず、良 くある形ですが、グル−プ制になり、グル−プに目標が課せられます。営業所には、 4つの班がありそれぞれチ−フがいます。その元に、その推進委員を置きましたが、 彼も任命されます。彼の班で彼以外は、この会社、この営業所で彼より若くなってい たのです。そこで、彼は、心ならずもより若い班員に向かって、叱咤激励する日々が 始まりました。長い通勤時間、長時間労働、食事内容の悪化、それに加えてのノルマ ストレスが、無断欠勤へとつながりました。 自律神経失調症という診断書の元約2ケ月休業し、まず疲労をとり、栄養面での改 善もはかり、営業所長にも自分の気持ちを率直に伝えて、「分かって貰った」という 思いで復帰の意欲が出てきました。我々は、遠い営業所の近くにアパ−トを借りる方 針を出し、昼食は営業所で用意して貰うことにしました。1月から班から離れ、4時 間勤務(10時から3時)からスタ−トし、当面自宅から通勤し、アパ−トを捜してい ます。 厳しい経済環境ですから又どうなるかは分かりませんですが、自分を偽って背伸び したことが原因の一つですから、上司に率直に話をして、かなりゆとりを得た様で す。外来で見る最近の彼には、何か力強さも感じてますので、新たな道を歩んでいっ て欲しいと思っています。 |