職場でのオニギリ効果大
みやぎ生協A店の店長Sさん、50歳。

健診成績の異常は、血中脂質が高い点。2年前は、総コレステロール(以下「総」)が、261、その内、悪玉と称されるLDL―コレステロール(以下「悪玉」)が、190=もあり、「要治療」とされ、薬を出しています。栄養指導を1度しています。1年後の成績は、「総」「悪玉」の順に、227、170で、「悪玉」は、少ししか改善していません。

この間の経過について、本人は、「一昨年、高脂血症と言われて、これは、何とかしなくてはならない、と思いました。ところが、どうして良いのか、分からず、又、毎日、朝から遅く迄店にいますし、夜帰って食べて寝るだけみたいなものですから、酒を少し減らした位でした」と語っています。

その後、当センター所属で、みやぎ生協の産業保健担当看護職が保健指導を継続し、更に、外来や店訪問時の主治医(=産業医)の声掛けによって徐々に変わってきた様です。この間、「食事時間」の問題を特に取り上げて来ました。 朝、昼は問題無いとしても、昼から夜の食事迄が、10時間程あるので、、閉店近くは、ひどい空腹のまま働いていました。そして、帰ってから満腹の食事と晩酌、そのまま就寝という生活だった訳です。それで、夕方6時頃、「軽食をとって、その分、家での夕?食を減らして」と指導しています。

家では、妻、娘と相談して緑黄色野菜を増やし、肉、脂料理が減らす様に伝えました。夕方6時頃と言えば、店でも、最も忙しい時間帯、「チョット一口」は仲々実行してくれません。店長でも遠慮があったと言います。このままでは、いつまでも「食事の不規則さ」は変わらないし、結果として、「脂質の異常」は、良くならない事を分かって貰い、店の安全衛生委員会で提起して貰い(私は、食べる、という一方的宣言みたいなものだった?)、店の職員食堂の昼のご飯の残りで、オニギリを作って食べる事を始めました。

最初の1ケ 月半は、店長一人でしたが、その後、真似をする職員も出始め、半年後には、9時迄働く人全員が、食べる事になり、オニギリ作りも交代で分担される様になったそうです。そして、更に半年を経た、今年3月の結果は、「総」は、230ですが、「悪玉」は153とかなり正常に近づきました。血液の結果のみならず、「お腹の出っ張りが、ひっこんで来たのがうれしいことです」と笑顔で話します。家族の体型も改善してきていて、皆んなで喜んでいるそうです。

この経過は、生協の職員広報誌「インスパイアー」に、本人も交えてのミニ座談会で紹介し、他の店からも反響が大きいそうです。(現在は、産業医と産業看護職が隔月で企画を担当中。全体で、もう10年以上経ちます)

「成人病」を「生活習慣病」と改名し、「悪い習慣=その人の責任」の「考え方」が宣伝されていますが、個々の労働者が、良い習慣を行える為には、「職場条件改善も不可欠な条件の一つ」、という生きた事例かと思いますので、紹介します。