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症例は、昭和35年12月生まれ主婦。今年38歳になる。惣菜工場で午前3時から午前7時迄週5
日夜勤をします。家族は、夫と小学生、幼稚園児の育児中に夜勤に着く。初めて夜勤健診を受
診したのが5年前、33歳の時で、どういう訳か夜勤就業前健診は受けていません。就業後3
月健診は受けていて、健診時血圧が150/100mmHg、ABPMの1日平均が151/92mmHgでした。すぐに近所の循環器専門の医師受診を勧めました。3月後に再度健診を受けてますが、治療開始し
ておらず、健診時血圧がやはり150/100mmHg、ABPM1日平均が166/102mmHgで、「即夜勤からはずす」指示を出してます。近医受診し血圧の改善が見られたとして再度夜勤についています。
その後の経過を見ますと、健診時血圧とABPMの平均値で、1994年が160/106、159/101、1996年
が、150/90、145/90と幾分は改善傾向はあるものの高血圧のまま深夜の労働に従事していま
す。 更に、問題なことに、1997年春から新しく導入した「深夜0時から6時半」の勤務への移行 を強く希望してその勤務に就いています。その年の健診時血圧は、168/110で、主治医との相談 を指示しています。その際のABPMはなされず「HolterECG」を実施しています。頻拍はあります が虚血性変化は見られませんでした。そして今年の健診は、9月18日に受診され、健診時血圧 は、実に182/120で、ABPMは平均ですら170/108と著明に高く全体の85%が160/95以上の値を示 していました。健診時血圧の時点で詳しく御話しをし、何故そんなにしてまで夜勤を続けなく てはならないのかの苦しい事情を伺ったうえで、その日から即休業することで一致しました。 主治医と相談してもらい、ABPMでの経過観察をする理由から当面の治療を引き継ぐことにしま した。その後2週間を経て降圧剤を1種類増やしたとはいえ血圧は142/94とかなり下がってきて います。ABPMで正常化したら夜勤に戻し、その後も上がらなければ続けても良い、とした「約 束」での「即休業」ですので不安もか感じますが、数年を経てようやく産業医としての役割が 果たせた感がある苦汁に満ちた事例です。この工場の典型的な「ABPM」の具体例を参考までに 供覧します。 |