タバコ自販機担当者の頸肩腕障害と腰痛
先日来院したS氏は、53歳、長くあるスーパーで、食料品を扱って元気に働いていたそうですが、「頚肩腕障害」「腰痛」「うつ気分」を訴えています。肩、腕の痛み、苦しさ、腰痛、下肢の苦しさはかなり強く、気分の不調も含めて今年春からの発症又は悪化です。経過を聞くと、今年の1月、ある先輩の同僚が定年退職し、引き継いだのが「タバコの自動販売機」の担当で、チェーン店に22にある機械に毎日のように、タバコを補充して歩く仕事です。彼は、かなり身長が高く、販売機の下のほうの作業は負担が大きいそうで、これが、「頚肩腕障害」「腰痛」の発症・悪化の理由な訳です。回るだけでも肉体的に大変なのに加えて、「販売目標」も彼を苦しめています。月額○○○万円と決まっていて、その為の工夫を上司に迫られるそうです。4月は、何とかそれをようやく突破してほっとしたと言います。いつも、タバコ関係の雑誌を読み、新しい銘柄をチェックし、若者に声を掛けて好みを聞く「努力」をしての「成果」と言います。しかし、彼は、タバコも吸いませんし、禁煙が進めば良いと願ってきたのです。特に、若い世代、若い女性の喫煙には、苦い思いをしてきたのに、その人々に「売らんが」の努力をする自分にいやな思いと言います。「この年で、逆らう訳にもいかんし」と、リストラの横行する昨今の事情に自分を押さえていると話ます。

病気を起こす会社の事情、社会的事情の大きい事例と思い皆さんで一緒に考えていきたい症例です。