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塵肺診療の中で、肺癌に多く遭遇するという報告が多い状況が続いています。疫学調査でも、予想値より有意に多いとする報告が目立ちます。中でも労働省関連病院である労災病院の10施設程が参加する2回の調査共、明らかに肺癌が多い結果でしたから、その時点で行政に生かして貰っていても良かったはずです。。肺癌が絡む裁判等では、被告企業や国は、それらは、タバコの影響であるとか動物実験に裏づけが無い限り有効でないと反論していました。タバコについていいますと、重喫煙者の肺癌のほとんどが扁平上皮癌が圧倒的なのに対し、塵肺に合併する肺癌の細胞種類では、線癌がの占める割合が多いとするいう報告が多い点からみても、有効な反論ではありません。喫煙率の少ない外国の鉱山でも肺癌合併の報告ある点も同様です。
動物実験については、1997年国際癌研究機関(IRCA)による「職業性の経気道暴露の結晶性シリカを人体における発癌物質と分類する」という重要な決定が公表されました。この報告書は、極めて多くの研究を吟味した上で有効とされた16ケ国の57の疫学調査と36の動物実験をもとにした報告書で、かなりの文量(英文で5百ぺ−ジ程)になっています。この発表に対して、「本報告は、単に一部の研究者の一方的な見解集で正当性が無い」「1997年京都国際職業性学術会議で、多くの批判を招いた」という「見解」が、我が国の「塵肺権威者(肺癌の専門家とは思えない方々ですが)」が、国側の医師証人としての裁判意見書の形で公表されています。「IRCA」は、WHOの正式機関であり、この報告は、かなりの時間を割いて慎重な検討を踏まえたもので、当然タバコはもとより同時に存在しうる発癌物質、例えばラドンの影響等も十分の考慮されています。不用意な感情論で本報告をけなすことは国際的な顰蹙(ひんしゅく)をかうことになります。
かなり長期間に渡って臨床的に多くの肺癌合併のを見てきた塵肺診療担当者の念願は、早期にその方向での補償規定が実現される必要があります。そもそも、何故、管理4の塵肺患者だけに限って肺癌が合併症として認定されてきたかすら明らかにされてはいません。そのことは、何故、管理3以下の塵肺患者さんだは、合併症として認定してこなかったかも塵肺法上では根拠がありません。ただ、裁判で、「疫学調査が不十分」と主張され、それが、多くの調査で実証されると、「動物実験が不十分」と言われてきました。今回のIARCの正式報告を機会に早い機会に「肺癌が塵肺の合併症」という行政上の措置がなされることを願う訳です。 |