私達からのことば
私共のホ−ムペ−ジが開設されたのは、若干の仮設時期を経て、昨年の連休の頃で したから、1年とちょっととなりました。この間に、5000件以上のアクセスを得 まして診療をする無床診療所での特徴ある症例や産業医学面での調査のまとめを比較 的頻繁に更新出来ました。時々の産業保健の企画の案内を始め、「第9回産業医・産 業看護全国協議会」の特設ペ−ジや「塵肺101問101答」の独自のペ−ジも作れ ました。4月には、主な内容の英語化も出来まして(現在塵肺の英語化を準備中)、 インタ−ネットの特徴でもある「世界への発信」も開始しています。
1年と5000件を一つのきっかけにしまして、このペ−ジ「私達のことば」のペ −ジを作りました。今までは、「外来事例」「調査事例」「企画案内」が中心でした が、激動の情勢の中、産業保健担当者内の意見も多様化してきている現状を踏まえ、 今後につながる意見を我々なりに発信することも重要だと考えた次第です。従来も、 「産業保健のメ−リングリスト」「禁煙メ−リングリスト」「宮城県医師会メ−リン グリスト」等にそれぞれ参加し、医療相談・産業保健相談の掲示板も設置してきまし たが、これからは、このペ−ジに、適宜意見、見解等を掲載していくつもりです。こ れまで以上に、お読みになった感想、意見、批判、アドバイス等をメ−ルの形でお寄 せ下さい(当面は、メ−リングリストにはしないで、私個人への返送の形で受けたい と思います)。よろしくお願い致します。
仙台錦町診療所・産業医学センタ−所長 広瀬俊雄
(記載:2000年5月25日)いろいろなことに意見があって、このコーナーに掲載しようとしていても、文字にして公開するにはそれなりに慎重にもなり、多忙を言い訳に1年近く経っています。今回は、心配な点、「電子カルテ」について産業医学・産業保健の観点から危惧を述べます。
「電子カルテ」が叫ばれています。データの公開、個人所属、データーの汎用等と医療機関における経済効果を「利点」としていて、厚生省も、「レセプト」の電子化に比して、後押しが見られる点から実現も早い気配がします。
私は、大きく言って2つの危惧を持ちます。
- 医師が、外来等の神経を入力に割くことにより(オーダーメードも含み)、患者さんとの会話、様子を探る余裕が今より少なくなる危険があります。
- 医療側の情報を電子化する利便性を重視する余り、患者さん側にある情報の入手の努力が益々失われかねません。健康障害の要因の中で重要な、労働や生活内容、環境因子について、現在も仲々聴取されていないのに、カルテには十分記載されていないのに、電子化されたカルテでは、個々の患者の情報が一層記録されないおそれがあります。せいぜい記号化された形で、「夜勤がある」とか「重量物を扱う」は入力されるかもしれませんが、上司とのやり取りや、夜勤の型や仮眠の状況等までは不可能でしょう。それでも、今よりは「改善」という皮肉な現実はあるにせよ、健康を労働と生活・環境から診るべきとする「産業医学・産業保健」の視点からは遠い状況に「落ちつく」ことになってしまいます。
労働と生活環境に根ざした「問診とカルテ」を一貫して実践し強調してきた我々の切実な願いを汲んで検討を進めて欲しいものです。